2018年診療報酬改定

【2018年診療報酬改定】分割調剤に係る処方せん様式追加

はじめに

2018年診療報酬改定から、処方せん様式の追加が実施されます。分割調剤を明確化するために行われます。

目次

処方せんのどこが変わるの?
分割調剤とは?
分割調剤指示がある処方箋がきたらどうすればよい?
管理人所感
まとめ

処方せんのどこが変わるの?

処方箋の分割調剤に係る医師からの指示が明確化され、それを記載する項目が追加されます。
様式第二号の二として、処方せん様式が追加となりました。

様式第二号と比較すると、右上部分にこれが分割調剤の何回目の処方であるかを記載する箇所が、また別紙が添付されどの薬局で調剤したかを記載できるようになりました。

分割調剤とは?

分割調剤とは、処方箋記載の日数分を一回で渡さずに、複数回に分けて調剤する行為をさします。
平成30年度診療報酬改定によると、下記の理由により分割調剤は行われます。

  • 薬剤の保存が困難であること等の理由(区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき) 注7)
  • 当該処方箋の発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由(区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき) 注8)
  • 医師の分割指示がある場合(区分00 調剤基本料(処方箋の受付1回につき) 注9)

①と②による場合は、薬剤師主導で進められますが、③については医師主導で進めることとなります。
また、分割調剤とひとくくりにしていますが、診療報酬の計算方法もそれぞれ異なります。

分割調剤指示がある処方箋がきたらどうすればよい?

平成30年厚生労働省告示第43号 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)から診療報酬の計算方法を抜粋すると下記の通りです。

薬剤の保存が困難であること等の理由の場合

7 長期投薬(14日分を超える投薬をいう。)に係る処方箋受付において、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目以降の調剤については、1分割調剤につき5点を算定する。なお、当該調剤においては第2節薬学管理料は算定しない。

■条件
・薬剤の保存が困難であること、例えば粉砕するなどして、有効成分の含有量が短期間に著しく低下するなど。
・14日以上の投薬が指示された処方せんであること。

■診療報酬
【1回目】
普通の調剤基本料と薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料など)を算定できる。

【2回目以降】
調剤基本料は5点に、薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料など)は算定できない。

当該処方箋の発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由の場合

8 後発医薬品に係る処方箋受付において、当該処方箋の発行を受けた患者が初めて当該後発医薬品を服用することとなること等の理由により分割して調剤を行った場合、当該処方箋に基づく当該保険薬局における2回目の調剤に限り、5点を算定する。なお、当該調剤においては、第2節薬学管理料(区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料を除く。)は算定しない。

■条件
・はじめて後発医薬品(ジェネリック)を試したい場合。
・日数の制限はない。

■診療報酬
【1回目】
普通の調剤基本料と薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料など)を算定できる。

【2回目】
調剤基本料は5点に、薬学管理料(薬剤服用歴管理指導料など)も算定できる。

医師の分割指示がある場合

医師の分割指示に係る処方箋受付(注7及び注8に該当する場合を除く。)において、1回目の調剤については、当該指示に基づき分割して調剤を行った場合に、2回目以降の調剤については投薬中の患者の服薬状況等を確認し、処方箋を交付した保険医(以下この表において「処方医」という。)に対して情報提供を行った場合に算定する。この場合において、区分番号00に掲げる調剤基本料及びその加算、区分番号01に掲げる調剤料及びその加算並びに第2節に掲げる薬
学管理料は、それぞれの所定点数を分割回数で除した点数を1分割調剤につき算
定する。

■条件
・医師の指示により、分割調剤を行う場合。但し、分割回数は3回まで。
・2回目以降の調剤において、服薬状況などを確認し、医師に情報提供を行うこと。
・処方せんは別紙こみで提出される必要があること。(提出されない場合は、受け付けなくてよい。)

■診療報酬
【1回目~3回目】
調剤基本料と調剤料と薬学管理料を足し合わせ、回数で除した分をそれぞれの受付回数ごとに算定できます。

全然美味しくね-と思ったけど、服薬情報等提供料がとれる様子。

区分 15 の5 服薬情報等提供料
(2)
イ 「区分番号 00」の調剤基本料の「注9」に掲げる分割調剤において、2回目以降の調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して情報提供を行った場合
引用:平成30年3月5日保医発0305第1号 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3(調剤点数表)

[分割調剤に係る留意事項]
(1) 分割指示に係る処方箋を発行する場合、分割の回数は3回までとすること。
(2) 分割指示に係る処方箋を発行した場合は、患者に対し、調剤を受ける度に、記載された回数に応じた処方箋及び別紙を保険薬局に提出するよう指導すること。
(3) 保険薬局の保険薬剤師は、分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
(4) 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況を確認すること。患者が別の保険薬局にて調剤を受けることを申し出ている場合は、当該保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報を予め提供すること。
(5) 受付保険薬局情報において、1枚目の処方箋が処方箋の使用期間内に受け付けられたことが確認できない場合は、当該処方箋は無効とすること。
抜粋:中央社会保険医療協議会 総会(第389回) 答申について 総-1 465~466頁

交付に関する条件(ややこしい)

分割調剤に関して、交付日数に関する条件があります。

その総量は、当然処方箋に記載された用量を超えてはならず、また、第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。例えば、4月3日交付、使用期間4日間、用量10日分の処方箋で4月4日に5日分の調剤を受け、次に10日に調剤を受けに来た場合は(10+4)-7=7であるから、残りの5日分を全部交付して差し支えないが、もし第2回の調剤を4月13日に受けに来た場合、(10+4)-10=4となるので4日分しか交付できない。
引用:平成30年3月5日保医発0305第1号 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3(調剤点数表)

つまりは、処方せん使用期間(通常は4日)と処方せん記載の用量を足し合わせた日数分しかその処方せんは有効じゃないよということですね。
それ以上の日数に係る分は、投薬するなよということです。

その他

3 保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方箋に薬剤師法第26条に規定する事項及び分割理由等の必要な事項を記入し、調剤録を作成した後、処方箋を患者に返却すること。
引用:平成30年3月5日保医発0305第1号 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添3(調剤点数表)

分割調剤において、1回目の処方せんは保存義務がないことになりますが、レセプト提出の根拠とすべく、コピーとっておいたほうがよいかと思います。

管理人所感

分割処方箋がどの程度浸透するのかはわかりませんが、国の狙いとしては、これはリフィル処方箋の導入の足掛かりにしたいという思惑でしょう。
リフィルのほうが、医療費削減につながるためです。

医師からの指示による分割はリフィル処方箋に近しいものがあるので、おおいに期待できますし、薬剤師としてはこの分割調剤をどこまで推し進められるか、頑張りどころかなと思います。

と思う一方で、医師側のメリットはほぼ皆無であり、むしろデメリットしかない現状の制度では全然浸透しないんだろうなと考えています。
とりあえず、今後のリフィルを推進する足がかりとして作ってみたというところでしょうか。

まとめ

分割調剤とは、一回で処方せん記載の全ての薬を調剤するのではなく、複数回に渡って調剤する行為です。
タイプによって、診療報酬算定が異なるので、注意が必要です。

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