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クラリスロマイシンとベルソムラ(スボレキサント)はなぜ禁忌?

ざっくりまとめ

不眠症に用いられる【ベルソムラ】、一般名スボレキサントは、マクロライド系抗生物質製剤の【クラリス・クラリシッド】、一般名クラリスロマイシンの併用禁忌の関係にあります。

ベルソムラは、特に高齢者において、向精神薬の安易な使用が控えられるようになってきた背景から、使用頻度が上がっている体感がありますし、その一方で肺炎などで高齢者にクラリスロマイシンは、でることがあるといったイメージです。
その結果、この併用禁忌の見落としが多発しているんじゃないかとおもい、注意喚起と勉強のためにまとめました。

ベルソムラってどんな薬?

ベルソムラは2014年11月に販売が開始された不眠症治療薬です。
オレキシン受容体拮抗薬であり、脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させ、睡眠を誘発すると考えられています。

向精神薬系の睡眠薬と比較すれば、その睡眠への移行は緩やかですが、依存性などの問題点が少ないことから、高齢者で切り替えられることが多いです。

完全に余談ですが、向精神薬系睡眠薬を使用していた方が、ベルソムラに切り替えたとしても結局寝れないことが多く、元の向精神薬系睡眠薬に戻るーというケースが散見されます。

クラリスロマイシンってどんな薬?

いわずもがな、マクロライド系抗生物質です。
細菌感染症に用いられます。

なんで併用禁忌?

併用禁忌であることは、ベルソムラの添付文書に記載があります。
スポレキサントは、CYP3A4により代謝されるため、CYP3A4を阻害する薬剤とは併用禁忌に指定されています。
要は、スポレキサントの代謝が遅れ、血中濃度が上昇する可能性が高いため併用禁忌なのです。

CYP3A4を阻害する薬としては、クラリスロマイシンやイトラコナゾール、リトナビル・サキナビル・ネルフィナビル・インジナビル・テラプレビル・ポリコナゾールなどがあげられます。

ベルソムラ服用中の患者に、突発的にクラリスロマイシンがでるのは、予想に難くないので、注意が必要な組み合わせといえるでしょう。

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