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【コルヒチン】の作用機序や相互作用・禁忌

ざっくりまとめ

コルヒチンは、痛風発作の緩解及び予防、家族性地中海熱に用いられる薬である。

細胞内小器官の微小管と結合し、紡錘糸の形成を阻害することで、細胞分裂を阻止する。

また、白血球・好中球の働きを阻止することで、炎症反応を抑制する作用を持つ。

目次

コルヒチンの作用機序
コルヒチンの禁忌
コルヒチンの相互作用
コルヒチンの副作用
コルヒチンの効果効能
コルヒチンの用法用量
まとめ

コルヒチンの作用機序

痛風発作時には、白血球による尿酸貪食作用及び好中球の脱顆粒が上昇しており、炎症性サイトカインの濃度が高まっており、炎症が強く生じる。
コルヒチンは、白血球や好中球の作用を阻止、特に好中球のLTB4やIL-8といった走化性因子に対する反応性を低下させることで、遊走を抑える。

家族性地中海熱は発作性に起こる発熱及び、腹部・胸部の疼痛や関節の腫れといった症状が起こる遺伝性の病気であり、炎症が過剰に生じてしまうことが原因で生じる。
コルヒチンの抗炎症作用が効果を示すのではないかと考えられている。

鎮痛・消炎作用はほぼない。
尿酸代謝にもほぼ影響をあたえず、尿酸排泄作用はない。

作用発現までには、36時間程度かかる。(痛風発作に対する、臨床スコア及び疼痛スコアによる)
作用持続時間は3~4時間である。

コルヒチンの禁忌

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.肝臓又は腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
3.妊婦又は妊娠している可能性のある女性(家族性地中海熱の場合を除く)
引用:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 添付文書

CYP3A4により代謝されるため、CYP3A4阻害薬剤との併用は、肝臓もしくは腎臓に障害がある場合に禁忌となる。
代表的なCYP3A4阻害薬は下記の通り。
アタザナビル、クラリスロマイシン、インジナビル、イトラコナゾール、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、ダルナビル、テリスロマイシン、テラプレビル、コビシスタット
アンプレナビル、アプレピタント、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルコナゾール、ホスアンプレナビル、ベラパミル)、グレープフルーツジュース

シクロスポリンなど、P糖蛋白を阻害する薬剤も排泄が遅れるため、肝臓もしくは腎臓に障害がある場合には禁忌となる。

妊婦又は妊娠している可能性がある女性に対しては、禁忌であるが、家族性地中海熱に用いる場合に限り、治療上の有益性が危険性を上回る場合には投与可能となる。
催奇形性の懸念がある。

コルヒチンの相互作用

CYP3A4による代謝、およびP糖タンパク質の基質であるので、それらを誘導もしくは阻害する薬物との相互作用がある。

コルヒチンの副作用

過敏症 全身の瘙痒、発疹、発熱
消化器 下痢、悪心・嘔吐、腹痛、腹部疝痛
腎臓 BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽 性、血尿、乏尿
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT) 上昇、γ-GTP上昇)、Al-P上昇
その他 脱力感、脱毛

コルヒチンの効果効能

効能又は効果
痛風発作の緩解及び予防
家族性地中海熱
引用:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 添付文書

コルヒチンの用法用量

用法及び用量
痛風発作の緩解及び予防
通常、成人にはコルヒチンとして1日3~4mgを6~8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5~1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。

家族性地中海熱
通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は1.5mgまでとする。
通常、小児にはコルヒチンとして1日0.01~0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大投与量を超えないこととする。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1.痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。
2.長期間にわたる痛風発作の予防的投与は、血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、有用性が少なくすすめられない。
3.投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、痛風発作の緩解には通常、成人にはコルヒチンとして1日1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。
引用:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 添付文書

予防的投与は、副作用発現の有害性が高いので、原則勧められない。
1日最大投与量も定められているので、注意。

まとめ

コルヒチンは、白血球や好中球による貪食や顆粒分泌を抑える働きにより、炎症を抑える働きがある。
痛風発作の緩解及び予防や家族性地中海熱に用いられる。

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