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薬剤師は国民の奴隷なのか?働き方改革どこいった。

薬剤師、国民の奴隷化

薬剤師に限らず医療人全般的に言えること(薬剤向けのサイトなので、薬剤師に絞って)ですけど、国は奴隷化を進めたがってるんじゃないかなと思うことがあるので、備忘録がてらまとめます。

【かかりつけ薬剤師】制度ってご存知ですよね?
知ってると思いますが、一応根拠を見直しておきましょう。

平成30年厚生労働省告示第43号 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)
13の2 かかりつけ薬剤師指導料 73点
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、当該施設基準に規定する要件を満たした保険薬剤師が患者の同意を得て、必要な指導等を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。
2 麻薬を調剤した場合であって、麻薬の服用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときは、22点を所定点数に加算する。
3 薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
ロ 残薬調整に係るものの場合 30点
4 特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指導加算として、10点を所定点数に加算する。
5 6歳未満の乳幼児に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又はその家族等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、当該指導の内容等を手帳に記載した場合には、乳幼児服薬指導加算として、12点を所定点数に加算する。
区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料を算定している患者については、算定しない。また、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除き、算定しない。

13の3 かかりつけ薬剤師包括管理料 280点
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、当該施設基準に規定する要件を満たした保険薬剤師が、医科点数表の区分番号A001に掲げる再診料の注12に掲げる地域包括診療加算若しくは注13に掲げる認知症地域包括診療加算、区分番号B001-2-9に掲げる地域包括診療料又は区分番号B001-2-10に掲げる認知症地域包括診療料を算定している患者の同意を得て、必要な指導等を行った場合に、処方箋受付1回につき所定点数を算定できる。この場合、この表に規定する費用(区分番号01に掲げる調剤料の注4、注5及び注8に規定する加算、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料(当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合に限る。)、区分番号15の2に掲げる在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、区分番号15の3に掲げる在宅患者緊急時等共同指導料、区分番号15の4に掲げる退院時共同指導料、区分番号20に掲げる使用薬剤料及び区分番号30に掲げる特定保険医療材料を除く。)は当該点数に含まれるものとする。
2 区分番号10に掲げる薬剤服用歴管理指導料又は区分番号13の2に掲げるかかりつけ薬剤師指導料を算定している患者については、算定しない。

かかりつけ薬剤師制度を実施することによるメリットは、【かかりつけ薬剤師指導料】か【かかりつけ薬剤師包括管理料】を算定できることにあります。
かかりつけ薬剤師指導料が73点、かかりつけ薬剤師包括管理料が280点なので、かなり高い点数!と思いますよね。
ですが、トラップとして、薬剤服用歴管理指導料を算定している患者には、算定することができません。

薬剤服用歴管理指導料は下記の通りの点数なので、【かかりつけ薬剤師指導料】であれば、プラス20~30点くらいしか得ることができません。

1 原則6月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合 41点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合 53点
3 特別養護老人ホームに入所している患者に訪問して行った場合 41点
※調剤基本料1以外の場合は、53点

【かかりつけ薬剤師包括管理料】は、【地域包括診療料】を医師が算定していなくてはいけないので、そもそもハードル高く、取れる患者さん少ないでしょう。

それで、【かかりつけ薬剤師指導料】を取ると、どんな業務が発生するようになるのでしょうか?

[算定要件]
① 患者が選択した保険薬剤師が患者の同意を得た上で、同意を得た後の次の来局時以降に算定できる。
② 同意については、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、その旨を薬剤服用歴に記載する。
③ 患者1人に対して、1人の保険薬剤師のみがかかりつけ薬剤師指導料を算定できる。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が指導等を行った場合は当該指導料を算定できない(要件を満たせば、薬剤服用歴管理指導料は算定できる。)。
④ 手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載する。
⑤ 担当患者に対して以下の業務を実施すること。
ア 薬剤服用歴管理指導料に係る業務
イ 患者が受診している全ての保険医療機関、服用薬等の情報を把握
担当患者から24時間相談に応じる体制をとり、患者に開局時間外の連絡先を伝え、勤務表を交付(やむを得ない場合は当該薬局の別の薬剤師でも可)
エ 調剤後も患者の服薬状況、指導等の内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案
必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を実施
引用:平成29年12月8日 中医協総-3 調剤報酬(その2)

はい。
⑤のウがエグいと思うんですよね。

性善説に基づいているのだと思うのですが、悪用されない前提だと思うんですが、毎日深夜に電話かけてきて、それで対応出来なかったらクレームつけてくる患者さんとかいないとも限らないでしょう。
というか、国を挙げて働き方改革!!労働時間短くしよう!!って言ってるときに、24時間相談に応じる体制整えろって、プライベート無くせってことですよね。何考えてるんでしょうか?

そもそも個人的に思うこととしては、大多数の患者さんにとって必要なのは、この人だから相談できるというよりかは、だれに対し相談したとしても、ちゃんとした答えが返ってくることじゃないでしょうか?
急いで電話相談して、【すいません、その件は担当の者が帰社しているので、わかりかねます】よりも、【その件は、私も把握しておりますので、よろしければ私がお伺いいたします】のほうが、信頼できそうじゃないですかね。

個人に対して重要な責任を押し付けるのが良いとは思えないです。
それだったら、薬局に勤務している薬剤師みんな、というかむしろ薬局の垣根を超えて、その地域の薬剤師全員で分担したほうが、よりよい医療提供できそうな気がするし、労働者側としても責任分散できて働きやすくなると思うわけです。

おそらくなにか問題おきてからじゃないと国は動かないですから、まったく期待はしてませんけど、かかりつけの制度、根本から見直してほしいと思います。

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