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【2018年診療報酬改定】基準調剤加算の廃止、地域支援体制加算の新設

はじめに

中央社会保険医療協議会 総会(第386回)議事録によると、基準調剤加算が2018年診療報酬改定によりなくなるようです。
その代わりとして、【地域支援体制加算】が新設される予定です。
———追記—————-
平成30年厚生労働省告示第43号 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) で確定となりました。
—————————–

今回は、基準調剤加算→地域支援体制加算の流れについてまとめてみます。

目次

基準調剤加算ってなんだっけ?
基準調剤加算が廃止に
地域支援体制加算の概要
まとめ

基準調剤加算ってなんだっけ?

基準調剤加算とは、2016年診療報酬では、下記のように定められています。

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、基準調剤加算として所定点数に32点を加算する。
なお、区分番号00の1に掲げる調剤基本料1を算定している保険薬局においてのみ加算できる。
引用:平成28年厚生労働省告示第52号 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)

調剤基本料1を算定している薬局でかつ、下記の条件を満たしている薬局で届け出てあれば、1回受付あたり32点を加算することができます。

四 基準調剤加算の施設基準
(1)患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていること。
(2)患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する主な情報を提供していること。
(3)一定時間以上開局していること。
(4)十分な数の医薬品を備蓄していること。
(5)適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供していること。
(6)麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
(7)当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む連携する近隣の保険薬局において、二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。
(8)在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有していること。
(9)当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。
(10)当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制が整備されていること。
(11)かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること。
(12)特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が九割を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が三割以上であること
引用:平成28年厚生労働省告示第54号 特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示)

※(3)一定時間以上開局とは、こちらの条件。
平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ週45時間以上開局。
※(4)十分な数の医薬品とは、1200品目以上。
※(5)については、管理薬剤師の条件が別途下記のように規定
保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験/当該薬局に週32時間以上勤務/当該薬局に1年以上在籍

と、いろいろな条件はあるものの、2016年10月時点での届け出状況で、27.3%の薬局が基準調剤加算を届けでていました。
在宅をどうにか獲得できれば、後はどうにかなりそうなので、頑張る薬局も多かったのではないでしょうか。

基準調剤加算が廃止に

2018年診療報酬改定では、基準調剤加算が廃止になる方向で進んでいます。

第1 基本的な考え方
かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局について、夜間・休日対応等の地域支援の実績等を踏まえた評価を新設する。また、医療資源の少ない地域の薬局について、当該地域に存在する医療機関が限定されることを踏まえ、調剤基本料の特例対象から除外する。

第2 具体的な内容
1.夜間・休日対応や医療機関等への服薬情報提供の実績など、地域に貢献する一定の実績があること等を前提として、地域支援に積極的に貢献するための一定の体制を整備している薬局を評価する。
2.施設基準において、一定時間以上の開局や医薬品の備蓄品目数等に加えて、薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整備を要件とする。併せて、基準調剤加算を廃止する。
引用:中央社会保険医療協議会 総会(第386回) 個別改定項目(その1)について

地域医療にもっと貢献しろよという国からの要望がひしひしと伝わってきますね笑
ということで、基準調剤加算が廃止され、新たに地域支援体制加算が新設されます。

地域支援体制加算の概要

[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には、地域支援体制加算として所定点数に35点を加算する。

[施設基準]
(1) 地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績があること。(下記※参照)
(2) 患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていること。
(3) 患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する情報を提供していること
(4) 一定時間以上開局していること。
(5) 十分な数の医薬品を備蓄していること。
(6) 適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供していること。
(7) 当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む連携する近隣の保険薬局において、24 時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。
(8) 当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。
(9) 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制が整備されていること。
(10) 当該保険薬局以外の医療従事者等に対し、医薬品に係る医療安全に資する情報の共有を行うにつき必要な体制が整備され、一定の実績を有していること。
(11) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が8割5分を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が5割以上であること。
(12) 区分番号 00 の1に掲げる調剤基本料1を算定している保険薬局については、下記の基準を全て満たすこととし、(1)を適用しない。

① 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
② 在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有していること。
③ かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること。

※ 地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績の基準
1年に常勤薬剤師1人当たり、以下の全ての実績を有すること。
① 夜間・休日等の対応実績 400回
② 重複投薬・相互作用等防止加算等の実績 40回
③ 服用薬剤調整支援料の実績 1回
④ 単一建物診療患者が 1 人の場合の在宅薬剤管理の実績 12回
⑤ 服薬情報等提供料の実績 60回
⑥ 麻薬指導管理加算の実績 10回
⑦ かかりつけ薬剤師指導料等の実績 40回
⑧ 外来服薬支援料の実績 12回
引用:平成 30 年度診療報酬改定関係資料(医科・調剤)

変わった点は、(1) 地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績があること。でしょうか。
また、いままで、調剤基本料1の薬局でしか基準とれなかったのですが、それ以外の薬局でも取れるように間口が広がりました。
ただ、調剤基本料1以外の場合(1)を満たさなくてはいけなく、その※の条件がわりとエグいと思うんですよね笑

特に【麻薬指導管理加算】ってきついですよね。
これって、条件にいれちゃいけないと思うんですよ。
他の条件は、わりと努力で頑張ればいけると思うんですが、麻薬の処方せんがくるかどうかなんて運次第なところありますよね。
こんな条件いれるから、つけかえ問題とか発生すると思うんですよ。(倫理的にやるのはもちろんNGですが)

まとめ

2018年診療報酬改定で、基準調剤加算の廃止、地域支援体制加算の新設が決定しました。。
いままで、調剤基本料1の薬局でしか基準調剤加算をとれませんでしたが、地域支援体制加算はそれ以外の調剤基本料を算定している薬局でも算定可能になります。
ただ、その条件はいぜんよりもきつくなっていることが予想されます。

2018年3月13日 更新

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