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【グセルクマブ(トレムフィア)】の作用機序や相互作用・禁忌

ざっくりまとめ

グセルクマブは、ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤。

商品名はトレムフィア。

既存治療で効果不十分な、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療薬。

目次

グセルクマブの効果効能
グセルクマブの作用機序
グセルクマブの禁忌
グセルクマブの相互作用
グセルクマブの副作用
グセルクマブの用法用量
まとめ

グセルクマブの効果効能

【効 能・効 果】
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

《効能・効果に関連する使用上の注意》
以下のいずれかを満たす尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、又は乾癬性紅皮症患者に投与すること。
1)光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者。
2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者。
引用:トレムフィア 添付文書

グセルクマブの作用機序

グセルクマブは、ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体です。
インターロイキン-23は、ヘルパーT細胞17(Th17)の分化、増殖および機能の維持に関与するサイトカインであると知られています。

乾癬は表皮の異常増殖が生じている疾患であり、その原因の一つと考えられているのが、ヘルパーT細胞17(Th17)の多さです。
そのため、ヘルパーT細胞17(Th17)の分化を誘導するインターロイキン23を叩くことで、乾癬の症状を緩和しようと考えられたのが、グセルクマブです。

グセルクマブの禁忌

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1)重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2)活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
引用:トレムフィア 添付文書

インターロイキン-23は悪いことばっかりしているわけではなく、好中球を遊走させるケモカインの分泌、炎症性サイトカインの分泌を増強させる作用をもち、つまりは感染症から体を守る働きを持ちます。
そのため、その作用を抑えられてしまうことにより、感染症への抵抗力が低下してしまいます。

グセルクマブの相互作用

相互作用
局面型皮疹を有する外国人乾癬患者において、ミダゾラム[CYP3A4基質]、ワルファリン[CYP2C9基質]、オメプラゾール[CYP2C19基質]、デキストロメトルファン[CYP2D6基質]及びカフェイン[CYP1A2基質]を本剤200mg単回皮下投与と併用した結果、これら基質薬の曝露量に明らかな変動は認められなかった。
引用:トレムフィア 添付文書

CYP3A4
CYP2C9
CYP2C19
CYP2D6
CYP1A2
のCYPに対して影響を与えなかったとされています。

グセルクマブの副作用

副作用
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を併合した本剤投与症例96例中26例(27.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、注射部位紅斑6例(6.3%)、上気道感染4例(4.2%)であった。(承認時)
1)重大な副作用
(1)重篤な感染症(頻度不明):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
(2)重篤な過敏症(頻度不明):アナフィラキシー(血管浮腫、蕁麻疹、発疹等)等の重篤な過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2)その他の副作用

引用:トレムフィア 添付文書

注射剤のため、注射部位紅斑はある程度避けられないかと思われます。
上気道感染は、IL-23の機能を阻害し、Th17が抑制されるために、免疫抑制が働くため、生じると考えられます。

グセルクマブの用法用量

【用 法・用 量】
通常、成人にはグセルクマブ(遺伝子組換え)として、1回100mgを初回、4週後、以降8週間隔で皮下投与する。

《用法・用量に関連する使用上の注意》
1)投与毎に注射する箇所を変えること。また、皮膚が敏感な部位、皮膚に異常がある部位、乾癬の部位には注射しないこと。
2)本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られる。16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
引用:トレムフィア 添付文書

トレムフィアは、初回・4週後・以降8週間間隔で使用する点に注意です。

まとめ

グセルクマブは、ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤です。
商品名はトレムフィアです。

既存治療で効果不十分な、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に用いられます。

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