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【モビコール配合内用剤】の作用機序・相互作用・禁忌

ざっくりまとめ

モビコール配合内用剤は、2018年11月に日本での販売が開始された【慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)】を効果効能とする薬である。

マクロゴール4000(ポリエチレングリコール4000:PEG)を有効成分とし、その高い浸透圧効果を利用し、水分を消化管内で保持させ、便秘を解消する。

マクロゴール4000を使用した薬剤としてすでに、経口腸管洗浄剤の【モビプレップ配合内用剤】がある。

これの、便秘用に量を調節した薬が、モビコール配合内用剤であるといえばわかりやすいかもしれない。

便秘薬の大御所マグミットにある副作用である高マグネシウム血症の恐れがないので、使いやすいと期待されている。また、添付文書上2歳から投与量の記載があり、子供から使える便秘薬である。

作用機序

マクロゴール4000(ポリエチレングリコール4000)の高い浸透圧効果により、水分を保持したまま消化管に届き、便中水分量の増加及び便容積の増大を経て、用量依存的に便の排出を促進すると考えられる。

相互作用

添付文書上、相互作用はない。

禁忌

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.腸閉塞、腸管穿孔、重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、中毒性巨大結腸症等)が確認されている患者又はその疑いがある患者[病態を悪化させるおそれがある。]
引用:モビコール配合内用剤

用法及び用量

【用法及び用量】
本剤は、水で溶解して経口投与する。
通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。

通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。

通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする。
引用:モビコール配合内用剤

徐々に投与量を増やしていき、適切な量で服用を継続するよう設計されている薬である。
投与量の増減幅や間隔も定められているので、処方箋でその定めを守っているかチェックが必要である。

保険適用上の注意

マクロゴール4000は浸透圧性下剤に分類されるが、マグミットも同じく浸透圧性下剤に分類される。
つまり、マグミットと併用が保険適用が通るかが怪しい。
メーカーや卸に確認しても、販売直後の現在のところ、なんとも言えないとのことであった。

モビプレップ配合内用剤との比較

マクロゴール4000を含んだ経口腸管洗浄剤の【モビプレップ配合内用剤】と成分量を比較すると下記の通り。

モビプレップ配合内用剤

大室(A剤)
成分1袋(244.212g)中
塩化ナトリウム 5.382g
塩化カリウム 2.03g
無水硫酸ナトリウム 15.0g
マクロゴール4000 200.0g

小室(B剤)
成分1袋(244.212g)中
アスコルビン酸 9.4g
L-アスコルビン酸ナトリウム 11.8g
添加物として、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム水和物、香料を含有する。
引用:モビプレップ配合内用剤

モビコール配合内用剤

成分 1包(6.8523g)中
マクロゴール4000 6.5625g
塩化ナトリウム 0.1754g
炭酸水素ナトリウム 0.0893g
塩化カリウム 0.0251g
引用:モビコール配合内用剤

マクロゴール4000の量だけに着目すれば、モビプレップの約30分の1量が含まれていることになる。

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