ざっくりまとめ
WHO方式がん疼痛治療法は、1986年に第1版が、1996年に第2版が出版された、がん疼痛に対する薬物治療の基本方針である。
がん患者を痛みから解放するために、全世界のあらゆる国で実施可能な治療法を確立することが作成意図である。
鎮痛薬使用の5原則
- 経口的に使用する。
- 使用時刻を決めて、規則正しく使用する。
- 疼痛ラダーに従って、効力の順に使用する。
- 患者ごとに個別的な量で使用する。
- その上で細かい配慮を実施する。
※原則、簡便で、投与量調節しやすい経口的にだが、嘔吐や嚥下機能低下などがある場合には、坐剤や貼付剤など、そのほかの投与手段が用いられる。
三段階除痛ラダー
第一段階
【非オピオイド鎮痛薬±鎮痛補助薬】
非オピオイド鎮痛薬は、天井効果といい、ある程度の量以上に増やしても、鎮痛効果が頭打ちになる特徴があるので、標準投与量以上の増量は行われない。
また、必要に応じて、鎮痛補助薬が用いられる。
非オピオイド鎮痛薬として、アスピリン・アセトアミノフェン・イブプロフェン・インドメタシンなどがある。
第二段階
【軽~中等度の強さの痛みに用いられるオピオイド±非オピオイド鎮痛薬±鎮痛補助薬】
非オピオイド鎮痛薬、鎮痛補助薬は必要に応じて用いられる。
軽~中等度の強さの痛みに用いられるオピオイドとして、コデイン、ジヒドロコデイン、トラマドールなどがある。
第三段階
【中~高度の強さの痛みに用いられるオピオイド±非オピオイド鎮痛薬±鎮痛補助薬】
非オピオイド鎮痛薬、鎮痛補助薬は必要に応じて用いられる。
中~高度の強さの痛みに用いられるオピオイドとして、モルヒネ、オキシコドンなどがある。