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希少疾病用医薬品

ざっくりまとめ

希少疾病用医薬品とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第七十七条の二 により指定される医薬品である。

希少疾病は、患者数が少ないことから、市場規模が小さく、製薬会社がすすんで研究開発に取り組みにくい。

その状況を解消するため、公的な支援やメリットを得られるように指定される医薬品である。

希少疾病用医薬品の根拠法律

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第七十七条の二 
厚生労働大臣は、次の各号のいずれにも該当する医薬品、医療機器又は再生医療等製品につき、製造販売をしようとする者(本邦に輸出されるものにつき、外国において製造等をする者を含む。)から申請があつたときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該申請に係る医薬品、医療機器又は再生医療等製品を希少疾病用医薬品希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品として指定することができる。
一 その用途に係る対象者の数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達しないこと。
二 申請に係る医薬品、医療機器又は再生医療等製品につき、製造販売の承認が与えられるとしたならば、その用途に関し、特に優れた使用価値を有することとなる物であること。

また、薬食発0401第11号 平成27年4月1日 希少疾病用医薬品等の指定に関する取扱いについて でも、指定条件などが定められている。

希少疾病用医薬品に指定される条件

対象者数

日本における対象者数が5万人未満であること。
ただし、指定難病に指定されている場合には、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)第5条第1項に規定する人数まで。(人口のおおむね千分の一程度)

医療上の必要性

当該医薬品等の製造販売承認が与えられたならば、その用途に関し特に優れた使用価値を有すると見込まれること。
「特に優れた使用価値を有する」とは、原則として、重篤な疾病を対象とするとともに、次のいずれかに該当するなど、特に医療上の必要性の高いことをいうものであること。
(ア)代替する適切な医薬品等又は治療方法がないこと。
(イ)既存の医薬品等と比較して、著しく高い有効性又は安全性が期待されること。

開発の可能性

対象疾病に対して当該医薬品等を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に係る計画が妥当であると認められること。

希少疾病用医薬品の支援措置

助成金の交付

経費負担を軽減するため、医薬基盤研究所を通じて助成金の交付を受けることができる。

指導・助言

厚生労働省、医薬品医療機器総合機構及び医薬基盤研究所による指導・助言を受けることができる。
医薬品医療機器総合機構では、優先対面助言制度やその手数料の減額措置がある。

税制措置

試験研究費の総額(医薬基盤研究所からの助成金を除く)の12%を税額控除額として算定できる。

優先審査

他の医薬品等に比べて、優先的に承認審査がされる。
また、その手数料が減額される。

再審査期間の延長

再審査期間が医薬品では最長10年間、医療機器では最長7年間に延長される。

指定の取り消し

次のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことがある。

  • 「対象患者数」の要件を欠くと認められるとき。
  • 他の医薬品等が承認されたことなどにより、「医療上の必要性」の要件を欠くと認められるとき。
  • 指定申請書の虚偽記載等不正があったと認められるとき。
  • 正当な理由なく希少疾病用医薬品等の試験研究又は製造販売が行われないとき。
  • 指定を受けた者について薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき。

関連問題

【問72-102回】
【問143-104回】

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